トンネル工事で発生した公害問題から研究が始まったという興味深い経緯をもつアクリルアミドと、その解毒に有効な成分について解説します。
目次
神経毒性、生殖毒性、発がん性が指摘されているアクリルアミド
アクリルアミドは、国際がん研究機関(IARC)に発がん性を指摘されている物質で、食品中のアスパラギン酸と果糖、ブドウ糖などの還元糖が揚げる、焼く、炙るなどの120℃以上の高温で加熱されることにより、アミノカルボニル反応(メイラード反応)を経て生成されます。
つまり、120℃以上になることがない、煮る、蒸すという調理方法では発生しない、ということです。
免疫を何らかの形で狂わせるということを意味する発がん性もですが、メンタルバランスに影響のある神経毒性や、生殖能力への影響も指摘されています。
食品中にアクリルアミドが発見された経緯
アクリルアミドの食品からの発見の経緯について、かんたんに流れで説明します。
- 1997年、スウェーデンのトンネルの建設工事が進められていた
- 大規模な水漏れが起こったのでアクリルアミドモノマーを含む充填材を使用
- トンネル内の漏水はトンネル近くの川に排出していた
- 下流で魚が死に、水を飲んだ牛が麻痺を起こした(公害発生)
- 200名超の建設工事作業員を調査した結果大量のアクリルアミドの摂取が判明
- 周辺地域の住民、家畜、野生動物も調査した結果、汚染地域外の住民の血中からも低濃度のアクリルアミドが検出
- トンネル工事による環境汚染にのみ由来するものではない説が出る
- さらなる調査の結果、ヒトのアクリルアミドの摂取量が野生動物よりも多いことが判明
- 喫煙者の血中アクリルアミド濃度が高いこと、タバコの煙からアクリルアミドが検出されたことから、アクリルアミドには燃焼が関係している仮説が立つ
- 調査の結果フライドポテトが「高濃度にアクリルアミドが含まれている食品」であると突き止められる(2001年)
- 炭水化物を多く含む食材を焼いたり、炒めたり、揚げたりして製造した食品にアクリルアミドが含まれると世界に向けて発表(2002年)
日本では報道されなかったですが、EU全体の食の安全を揺るがすほどの大問題に発展しました。
アクリルアミドはグルタチオンで解毒できる
人間の細胞すべてに存在するグルタチオンは強力な抗酸化作用をもつことで有名ですが、グルタチオンはアクリルアミドと結合(グルタチオン抱合)してアクリルアミドを尿として体外に排出させます。さらに、アクリルアミドの代謝物であるグリシルアミドも、このグルタチオンによって同様に尿として排出されます。
ところが、グルタチオンは
- 人体に有毒な過酸化水素の無毒化
- アセトアルデヒドの無毒化
- 腸から血中に漏れ出たプロピオン酸(PPA)の無効化
- 放射線障害予防効果
- 重金属や残留農薬など解毒困難とされる物質のデトックス促進
- 細胞や遺伝子の傷の修復
- 肝機能向上
- 体内の酵素の働きを助ける
など、様々な役割を担っており常に需要に対して供給が追いついていない状態ですし、年齢とともに減少していくものです。
ですので、日頃からグルタチオンそのものやグルタチオンの材料となる食材を意識的に摂取しておいたほうがいいです。
一般的にグルタチオンを多く含むといわれている食材は、
- アボカド
- アスパラガス
- ブロッコリー
- ほうれん草
- レバー
です。
グルタチオンを含むサプリメント
正直、グルタチオンはサプリでとるのが一番面倒が少なくて効率が良いです。
※グルタチオンは医薬品に登録されており、日本の事業者がサプリメントとして販売することはできないので、現状海外から個人輸入するほかありません。
私も実際に飲んだことがあるサプリで、ウルトラヘルスというサプリがあります。免疫ミルクやブラックジンジャーなども配合されており、個人的には毎回スッキリします。
おわりに「解毒を意識して暮らしていれば問題ない」
トーストにもアクリルアミドは含まれるし、高温調理した野菜にも含まれています。
現に日本人はその56%を高温調理した野菜から接種していることがわかっています。
アクリルアミドについては、ネットで調べても
- 有害
- 有害だが影響はない
という意見で真っ二つに分かれていますが、少なくとも嫌な予感のする物質であることは共通しています。
なんだか、アクリルアミドについてはいきなり出てきた感じもして、地球温暖化と同じようなにおいもしないでもありませんので、恐れる必要はまったくないと思います。上記のスウェーデンの事案も、アクリルアミドではない物質が原因だった可能性もありますし。
私はそれよりも、残留農薬のほうが危ないと思います。
有害無害、いずれにせよ、日頃から解毒を意識して生活していればまるっとOKなので、気楽にとらえています。
以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。