以前、黄色ブドウ球菌系の食中毒で地獄を見たことがありますので、もしなっちゃったらこうするといいよ、みたいなのを経験からお話しします。
冬こそ食中毒に注意!
とかいう言葉の意味を身をもって知りました。
目次
手作りスイーツの罠
原因は、前日に買って食べきれなくてこたつの上に放置していた無添加の手作りスイーツ(ビニール包装)でした。
冬だし寒いから大丈夫だろう、という理由で冷蔵庫に入れないで放置してしまったんです。
すごい高級なこたつはそういうのはないのかもしれませんが、一般的なこたつはテーブルの上も30℃くらいの温度になります。しかもだいたいの家庭はつけっぱなしだと思います。
ビニール袋に入れて30℃で放置とか、手作り食品なら高確率で黄色ブドウ球菌が繁殖します。
いや、もちろん調理場の人はビニール手袋していると思いますけど、万が一万が一っていうこともありますので。
冬だからこそ、こたつとかストーブとかヒーターなど熱源の傍は、菌にとっても快適なので気をつけなきゃダメです。
黄色ブドウ球菌の恐ろしさと食中毒症状
黄色ブドウ球菌は人の肌に存在する常在菌で基本的には私たちのトモダチです。
とくに荒れた部分や傷口にいっぱいることから、傷の修復や外敵の侵入阻止に関わっていると思います。
飲食店などで施される衛生教育はこの黄色ブドウ球菌による食中毒を起こさないように組まれている、と言っても過言ではないくらい、どこにでもいる一般的すぎる菌です。
この黄色ブドウ球菌は、それ自体では何の害もないのですが、食品中で繁殖する時に、熱・乾燥・胃酸・消化酵素に強いエンテロトキシンという毒素を作ります。
熱・乾燥・胃酸・消化酵素に強いということは繁殖してしまったら何をしても無駄ということです。ちなみに、最悪の場合死ぬ人もいます。
30分~6時間くらいの潜伏期間を経て、
- 38℃くらいの高熱
- 高熱からくる悪寒
- 激しい吐き気&嘔吐
- 激しい下痢、腹痛(胃痛)
を発症。症状が12時間くらい継続するといわれています。
黄色ブドウ球菌の食中毒のリアルな体感
私の場合は食べて1時間後くらいから異変がありました。
なんかイライラしてきたんです。
え、意味わかりませんよね。
だって美味しいスイーツ頂いたばっかり(幸せ)ですよ?※エンテロトキシンは味を壊さないんだなあ……
だんだん胃もムカムカしてきました。
胃もたれ(←実は胃もたれではない)もすごいし今日は早く寝よ……
とか思って早めに布団に入ったのですが、強烈な便意で目が覚めます。便意っていうか内臓全部出るっていうか。
トイレに駆け込んで用を済ませた直後、今度は超強烈な吐き気に襲われ、そのまま嘔吐。今日食べたもの全部吐いたんじゃないかってくらい大量に嘔吐しました。
その後はずっと下痢と胃痛、あと頭痛と倦怠感、さらに体の節々の痛みがありましたのでおそらく39℃以上の熱が出ていたはずです。
黄色ブドウ球菌の食中毒になってしまったら
- 仕事は休む
- 下痢止めは絶対に飲まない
- 水分を絶やさない
まずはこれが鉄則です。
これに加えて殺菌作用のすごい、しそ、大根おろしを摂るとパーフェクトなのですが、食中毒というのは常に事故であり、食中毒になった時に手元にしそ、大根があるという幸運な人はあまりいないと思います。
まだ動ける状態だったり、小康状態になった時に、苦手じゃない人で買いに行ける人は行くことをおすすめします。
食中毒になったら仕事は休む
非常に良くできているあなたの身体は、全力で毒素を排出しようとします。
嘔吐や下痢、すべてが早く楽になるために必要なアクションですので、ランダムに訪れる排泄のタイミングに柔軟に対応するには、終日フリーでいなければなりません。
辛くても下痢止めは絶対に飲まない
でも仕事を休めない……!
そんな責任感の強い健気な人がやりがちな判断ミスです。
せっかく体が毒を排出しようとしているのにそれを止めるとかドMの極みです。
嘔吐でも下痢でも、とにかく出せば出すほど早く楽になっていきます。逆らっちゃダメ。
めんどくさくても水分は絶やさない
嘔吐や下痢で、これでもかというくらい身体の水分が出ていきます。というか排泄するのに水分を鬼のように使いますので、
- 出したら飲む
- ちょっとでものどが渇いたら飲む
を徹底すると良いです。めんどいけど。
人工甘味料の入っていないスポーツドリンク、もしくは天然塩を入れたシリカ水が良いです。
食中毒で嫌な頭痛が残る
事後に強めのしつこい頭痛が残りました。
あまりにしつこいので、当時はまだケミカルお薬にそこまで抵抗がなかった私は、ロキソニンのジェネリックで対処しました。
でも食中毒ってお腹の事件なのになんで頭痛?
って思いましたので調べました。
サイトカインとプロスタグランジン
免疫が発動するとサイトカインというたんぱく質が出ます。
これは脳に外的侵入の緊急事態を伝えるためと言われていますが、サイトカインは血液脳関門を通れないのでより小さなプロスタグランジンというホルモンの産生を促し、視床下部に「体温上げて」という司令を伝えます。
この、サイトカインやプロスタグランジンは発熱を促進する物質なので、血管を拡張します。
それが頭痛の原因になっているのでは、といわれています。
またプロスタグランジンには痛みを感じやすくする作用もあります。
おわりに
こたつの上に食べ物を放置しないようにしましょう。
放置しちゃったら潔く捨てる!
以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。