「だらしないから太る」というのは嘘です。自分は痩せられないと諦めている人や、ダイエットの後もリバウンドしたくない人に読んでほしいです。
太っている人はだらしないわけではない
肥満(メタボリックシンドローム)の原因はだらしない生活習慣、と安易に考えがちですが、それはどうも違うようです。
肥満はアメリカ南東の養鶏が盛んな州からはじまり、そこから広まったといわれています。
12,000人の体重と対人関係を32年にわたって分析した調査があります。
- 配偶者が肥満になった場合、その人自身も肥満になるリスクは37%上昇する。
- 親友が肥満になるとその人も肥満になるリスクは171%に跳ね上がる。
- 逆に、友人とは呼べないただの隣人が肥満だというだけで当人の肥満リスクが連動して高まることはない。
この相関関係をみてわかることは、肥満は空気感染しないタイプの感染症と似たような挙動をしているということです。
「だらしなさ」が伝染しているわけではなさそうです。
そもそも「だらしない」というのは比較対照がなければ成り立たない概念です。いったい何と比較しているのでしょうか。少し考えると何かおかしいと気づくと思います。
もし、この実体のわかりづらい「だらしない」という概念を意識してしまうと、ダイエットがうまくいった後もリバウンドの恐怖と戦うことになります。
本来なら食べたいものを食べるだけでいい
「食べたいものを食べたい分だけ食べる」でOKなのです。本来は。
食欲ってそのためにあるので。
私は以前28日間の断食をして気づいたのですが、食欲というのはちゃんとその時必要なものを必要な分的確に感知するようになっています。
つまり、正常な状態から何かがズレている、というのが事実です。
正常であることに原因は要らないですが、ズレるには原因があります。
太っている人はこれが乱れている
- 腸内細菌叢(腸内フローラ)
- 代謝
- 食欲
これらが乱れる、もしくは狂ってしまうとエネルギーは十分なのに食べたい欲求が収まらなかったり、もしくは暴飲暴食をしているわけでもないのに太ることになります。たとえダイエットに成功した人でも、またリバウンドします。
そして、これらを乱すトリガーは身の回りにあふれている殺菌的なはたらきをするものです。
腸内細菌叢を気にかけてあげる
現代の日本はどうやっても腸内環境に悪い食生活になります。
完全にオーガニックな生活を貫くのはなかなかのお金がかかるからです。
腸内細菌に直接的なダメージのある水道水や人工甘味料などのわかりやすいものを避けるくらいはできますが、目に見えない残留農薬を完全に避けるのは至難の業です。
そこで無農薬野菜や、抗生物質や遺伝子組み換え飼料を使わずに育てた牛豚鳥ですが、それらは生産効率が悪いためお値段が高めなのです。
調べれば調べるほど、食べられるものがなくなっていく……という状態になりますが、それが今の日本のリアルです。
つまり、腸内の健康を考えると、私たちはスタートラインで既に効率が悪い状況に置かれているのです。
ですので、「常にダメージにさらされている」という前提で、デトックスのことを考えながら腸内環境を気にかけるのが一番気持ちが楽です。
食欲を抑える、代謝をアゲる
食欲を抑えて、代謝をアゲるようにすれば、力技ですが速くて確実なのはわかります。でも、我慢も運動もしたくないです。それが苦もなくできる人はいいでしょうが、苦手な人にとってはただの苦行です。
それなら、ビターオレンジやクラチャイダムや高麗人参などのハーブの力を借りて、食欲を抑えて代謝をアゲアゲにしたほうが明らかに労力が少なくて済むし、何も考えなくていいので楽です。
続けていれば、乱れた食欲から作られた習慣が抜け、それが新しい当たり前になります。
おわりに「肥満は20世紀最大の流行病だった」
肥満は生活習慣病というよりはエネルギー貯蔵システムの機能障害と言ったほうがよさそうだ。(『あなたの体は9割が細菌』アランナ・コリン著 矢野真千子訳 91ページ)
20世紀最も流行した病は紛れもなく肥満。それもたった60年で爆発的に流行したのが肥満。これほど大規模に体型を変えてしまう変化は歴史上あらゆる動物で起こったことがないといわれています。何万年も変わることがなかった人類(全体)の体型がたった60年で大きく変化したと考えると、これは明らかに異常事態です。
私はこれを知ったときにかなり気持ちが楽になりました。それだけ大きなムーブメントなら巻き込まれた当人はぜんぜん悪くないからです。
以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。