ダイエットに限らず、「新しい習慣」を定着させようとするあらゆる挑戦が失敗してしまいがちな理由をお話しします。私も長い間、この罠に引っかかっていました。

あなたは悪くない。
これだけはまず絶対に理解して欲しいです。ダメな人でもないし、魅力がないわけでもないです本当に。
これから、ダイエットに限らずあらゆる挑戦が失敗してしまう根本原因をちゃんとお話しします。
これは万人に共通して働いているメカニズムなので、知っておいて損はないと思います。
目次
【現状維持バイアス】ホメオスタシスのフィードバック

暑いところでは汗をかき、寒いところでは震える。
私たちの体はそのようにして体温を一定にキープしています。これは恒常性維持機能(ホメオスタシス)といって、サーモスタットのようなものです。
実は、このホメオスタシスは体だけでなくて精神にもしっかりと働いていることが明らかになっています。
例えば、
■「英語を話せるようになりたい!」
→毎日英単語を10個覚えようと思って単語帳を買ったはいいけど1週間と続かなかった。
■「強くなってナメられないようになりたい!」
→筋トレを始めたはいいけどいつの間にかやめていた。
■「もうこんな暮らしは嫌だ!成功したい!」
→「YouTuberで成功するために動画を毎日投稿しよう!」
→最初はできたが、段々ペースが落ちてきて1ヶ月後には投稿しなくなっていた。
■「やせてキレイになって今まで私をバカにしてきた周囲を見返してやる!」
→シューズも買って毎晩5kmのジョギングを始めるも、1週間でやめてしまう。
■「めちゃ辛かったけど硬い決心で歯を食いしばってダイエットに成功した!」
→なぜかある時から体重がもとに戻り始め、気がついたらダイエット前より太っていた。
……などなど、他にも例を挙げればきりがありませんが、こういう新しい習慣が定着しないのは、あなたが意思が弱いからでもダメな人だからでもありません。急に持ち込まれた新しい習慣は定着しにくいように、もともとなっているのです。
言い換えると、現状維持を強く好むようになっているのです。「現状維持バイアス」とも言いますね。
ホメオスタシスは意思とは無関係のところで働きますので、意思の力だけで歯向かうとめちゃ手強いですし、意思の力だけでコントロールするのはまず不可能です。
ホメオスタシスのフィードバック(現状維持バイアス)を突破して新しい習慣を定着させるには

ホメオスタシスのフィードバックの強力な引き戻しパワーに勝って自分を変えるには、現実への臨場感が揺らぐくらいの強いショックを受けるか、習慣が定着するまで誰かに強制してもらうか、ホメオスタシスが働かない程度に小さいことからやるか、のいずれかです。
現実への臨場感が揺らぐくらいの強いショックを受ける

体験した人が語る、「人生に大きな変化をもたらしたきっかけ」として一番よく聞くものですね。
強いショックをもたらすものにはネガティブなもの、ポジティブなもの様々ありますが、これに頼ると人生はギャンブルになります。
- どんなものに強いショックを受けるのか?
- それはどういうタイミングで訪れるのか?
- どこに行けば遭遇率が高いのか?
それらがすべてわかったところで、それに自分が強いショックを受ける保証はありませんし、結局運まかせになってしまうのです。
というか、そもそも強いショックなんてできることなら受けたくないです。
習慣が定着するまで誰かに強制してもらう

勉強も、筋トレも、ダイエットもそうですが、こういう強制力を得るにはそれなりにまとまった資金が必要です。調べてみるとすぐに分かります。
一時話題になった、週2回パーソナルトレーナーが50分ボディメイクについて指導してくれる某トレーニングジムは2ヶ月コースでも諸経費など合わせて350,000円とかします。
貯金がそれなりにあって、こういう体験にすぐにパッと投資ができる人はいいのでしょうが、私は350,000円あったらたぶん旅行しちゃいますね。。。
ホメオスタシスが働かない程度に小さいことからやる

自分の前では平静を装うこと。変化が自分に勘付かれない程度に、小さなことから徐々にやっていくのが鉄則です。
いきなり何かをドン!と始めたり、ガラッと習慣を変えてしまうと、燃えている最初のうちはいいのですが、必ず跳ねっ返りがきます。
跳ねっ返りがきたときに、まだ情熱がハイレベルな状態であればいいのですが、そうでない場合は引き戻されますし、最悪の場合精神崩壊します。※私は過去に思いっきり自分を変えようとして精神を病んだことがあります。
“努力”にではなく工夫と効率に意識を使う
努力に意識を向けるから、万が一コンディションが悪かったり気分にムラがあったりで努力ができなかったときに「なんて自分はダメなんだろう……」と、セルフイメージまで傷つけてしまうのです。
そうではなくて、「工夫できないか」と考えたほうがいいです。
もちろん、できることならさっさと結果を出したいものですから、効率も追求するともっと良いです。
それでも自分を変えたかった私の場合
一度強い絶望を味わってしまうと、次は挑戦が怖くなります。それでもガンガン挑戦できる人の強いメンタルがうらやましいです。ほんと。でも当時の私はそうではありませんでした。
習慣は21日以上継続したものが定着します。つまり、今残っている習慣はどれも21日以上続いたものであり、逆にこれまで定着しかなったものはどれも21日続かなかったものです。
それを知っても、私は運動や食事制限を21日も続ける自信がありませんでした。
例えばダイエットなら、
【運動】運動が嫌いな人や難しい人はどうすればいいのか
そもそもが運動嫌いですし、仮にこれでうまくいったとして、同じように運動が嫌いだったり、何らかの理由で運動ができない人で「それでもダイエットしたい!」と思っている人に、我慢や根性で運動の素晴らしさを説くとか無理だなと思いました。私が味わったような絶望を誰かに味わわせることになるかもしれませんし。それは嫌でした。
「楽しみながら運動ができる動画」なんていうのも、ネットで探せばたくさんあります。それはそれで素晴らしい工夫だと思うのですが、長期的にテンションが激落ちしていて、「楽しい」という感情の種すらないような、当時の私みたいな人はどうすればいいのでしょうか。
「やれば楽しいからまずはやってみろ」の「やれば」の原動力さえ枯渇している人は?絶望するしかないのか?
私が生粋の面倒くさがりなだけかもしれませんが、私はそのように思いました。
【食事制限】一生続けなきゃいけないとか無理
食欲、睡眠欲、性欲、この3つの本能的欲求に意志の力で歯向かうのは賢い方法ではないと思います。すぐにホメオスタシスのフィードバック機能が発動し、自分からの強力な抵抗にあいます。
これも運動と同じで、野菜が嫌いな人や、食べることが好きな人(つまり食べないことが嫌いな人)はどうすればいいのでしょうか?
しかも、この先ずっと続けなければいけないんでしょう?
【サプリ】サプリを飲むくらいなら出来るけど最高効率を求めたい
サプリを飲むくらいなら、何も自分に負荷(ストレス)をかけないでできます。寝っ転がっていてもできますしね。
でも私はわがままなので、その“小さなこと”をやる上でも最高効率を考えたかった。小さなことですらやりたくなかったので、なるべく少ない“小さなこと”で最短で結果を出したかったのです。
そこでめっちゃ強い“小さなこと”を求めた結果、「国産はなんかおかしいぞ……?」と気づいて海外から個人輸入をするようになり、今飲んでいるサプリたちに行き当たっています。
サプリを飲むくらいなら私でもできそうな気がした
さいごに
あなたは悪くないので、今ご自身を責めることに向いている意識を、工夫に向けて下さい。意識って放っておいても必ず何かに注がれていますので、何か現状に不満のある方は、その意識の向けどころについてちょっと考えてみられるといいと思います。
必ず、あなたを苦しめる何かに意識が捧げられているはずです。
余談みたいになりますが、あなたがダメな人間であるという自己否定のマインドには必ず仕掛け人がいます。つまりそれによって得をする人がいたわけです。これまでもいましたし、これからもいます。きっと私もあなたもそういう人が発した情報を受け入れすぎてしまっていたのです。
あなたの毎日がちょっとでも楽に、効率的になるのに、私の体験や知識が少しでもお役に立てれば幸せです。
最後までお読みくださりありがとうございました^_^